ホタテ貝のヒモの部分が破棄されているとしたら、それは「もったいない」と思いますよね。
実際食べてもおいしいのに。
ところが生産の現場では、多くは破棄されていました。YBTを立ち上げたその時、この「もったいない」が最初のころの想いでした。
ホタテのヒモに新たな価値を創出することが最初の一歩
YuBetsuTomorrow「湧別の明日」に想いを込めた株式会社YBTは、湧別の豊かな農水産物、自然の恵みを日本へ、アジアへ、そして世界へYUBETSUブランドとして発信・普及するために設立されました。
特にホタテは湧別が誇る競争力のある産品です。貝柱は高級食材として流通されています。しかし、ホタテのヒモは多くが廃棄されていました。YBTの最初の事業は、ホタテのヒモに着目し、その食材の可能性を探り、魅力をアピールし、価値を高めることです。それが私たちの最初の一歩です。
なぜホタテ紐は廃棄されているのか?
ホタテ漁の最盛期は、早朝から湧別の港にホタテ貝を積んだ船がひっきりなしにやってきては荷下ろしをしています。一日に30トンの荷揚げ—-ちょっと考えてみると、一キロでだいたい7~8枚なので、1日に21万から24万個のホタテ貝が水揚げされてることになります。
水揚げされたホタテ貝のほとんどは、そのまま出荷するのではなく、加工処理がほどこされます。(原貝のまま流通するのはほんの一部です)。その数のホタテの処理をするのに、地場の限られた労働力では、紐の処理加工までには手が回らず、高級食材となる貝柱の処理をするだけで手いっぱいという状況がうまれてしまいます。
(貝柱の手前の黒い部分が”ウロ”と呼ばれる部分)
加えて、ホタテの内臓には毒があり、処理も産業廃棄物の対応をしなくてはならないのです。
要は、手間がかかる。
その割には、貝柱が高級食材に加工されるのに比べて、やはり、「ホタテ紐」は貝柱より安価な設定になる。その構造から貝柱を優先して、生ものである紐はどんどん廃棄されていくという状況がうまれます。
そんななか私たちが、出会ったのは、香港の水産加工業者でした。彼らは中華食の総菜にするホタテのボイルしたヒモ(ボイルミミ)を探していました。他の生産地と比べて、湧別のホタテボイルミミの品質の評判はとても高いのです。(素材の良さと加工の品質管理がいいのだと思います)
そして、別の韓国の業者は、キムチにいれるためにこちらは、生のホタテのヒモを探していました。
世界の各地で、ホタテの耳を求めている人たちいる。
そのことを体感することはとても大事でした。要は、それらのニーズにどうやって答えるかを考えることが始まりました。いま、オートメーション化を含めてこの問題をどう解決するか、皆で考え対処しています。
そして、湧別漁協でも、ホタテのヒモを活用した商品開発がおこなわれました。
捨ててしまっているものにも、素晴らしい価値があります。
水産資源を無駄なく、サステナビリティ(持続性)を考えて活用する、それが今、私たちに求められていることではないでしょうか。
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